患者重視の統合医療の役割とは

現在、西洋医学が医療の主流である一方、伝統医学や代替医療が見直され、患者にとって最も適した治療を行うためにそれらを組み合わせた「統合医療」という考え方が取り上げられるようになってきました。
現代西洋医学は、多くの病気に対して劇的な予後の改善が見られ、効果を上げてきました。一方で、現代病ともいわれるアレルギーやうつ病などに対しては、西洋医学をもってしても克服が難しいのが現状です。そこで利用されはじめているのが、漢方や民間療法などです。これら伝統医学や、代替医療と、西洋医学を対立する2つの医療とは捉えず、組み合わせることで、最大限の効果を得られます。

この統合医療の役割は、個々に合った最も良い治療方法を見つけることにあります。そして、この統合医療の特徴は、患者の生活の質を向上させ、個々に焦点を当てた医療を行えることです。病気だけを診るのではなく、精神的な面や社会的な面など幅広く考慮した上で、治療以外の予防や健康増進についても重要視します。
患者一人ひとりの死生観、どう生きてどう死んでゆくのかという考えについても、個々で違ってきます。統合医療は、生から死までの一生をケアしていく医療としての役割も担っているといえるでしょう。

このように、統合医療は患者を重視した医療として、注目を浴びています。統合医療としての役割を果たすためには、各専門家が1つのチームとして、個々に応じた治療の選択と提供を行わなくてはいけません。そして大きな効果を得るためには、互いの協力が必要不可欠なのです。